D1 ・ 対象:経理・総務・管理職、支払い/振込に関わる全員 ・ 所要 約10〜15分

その振込先、本物ですか? ― ビジネスメール詐欺(BEC)

この研修のねらい:取引先・上司になりすました「振込先変更」メールを見抜き、送金前に必ず別手段で確認する習慣をつける。

1. まず結論:中小企業の「実際の金銭被害」で最大級がこれ

BEC(ビジネスメール詐欺)は、犯人が取引先や自社の社長・上司になりすまし、「振込先が変わりました」「至急この口座へ」とメールで指示し、お金をだまし取る手口です。ウイルスより、まともな業務メールの顔をしてくるのが怖いところ。一度振り込むと取り戻すのは非常に困難です。

2. 犯人の典型パターン

  • 振込先の変更:「銀行を変えたので新しい口座へ」(既存取引の請求で油断させる)
  • 社長・上司なりすまし:「今、会議中で電話に出られない。至急この口座に」(権威+急かし)
  • 請求書のすり替え:本物のやり取りに割り込み、金額や口座だけ差し替えた偽請求書を送る
  • メールの乗っ取り:取引先の本物のアドレスから届くことすらある(=差出人が正しくても油断禁物)

3. 見抜くサイン

  • 「振込先が変わった」という連絡(最大の赤信号)
  • 急かす・秘密にさせる(「至急」「他言無用」「私の携帯に直接」)
  • いつもと違う言い回し・タイミング・宛先(Cc が外れている等)
  • 差出人アドレスの微妙な違いtorihiki.co.jptorihiki-co.jp など)

4. これだけは守る「送金前の鉄則」

  1. 振込先の変更は、メールだけで信じない。必ず電話など別手段で本人に確認。電話番号はメールに書かれた番号でなく、名刺や過去の正規連絡先から
  2. 高額・急ぎの送金は、必ずダブルチェック(一人で決裁しない)
  3. 「至急・内密」で急かされたら、いったん止まって上長に相談
  4. おかしいと思ったら送金を保留する。確認による数分の遅れは、詐欺被害より遥かに安い

5. 「振り込んでしまった」と思ったら

一刻を争います。すぐに銀行へ連絡して組戻し(返金手続き)を依頼し、警察と社内に報告。時間が経つほど資金は引き出され、取り戻せなくなります。隠さず即報告が唯一の勝ち筋です。

6. 今日から職場でやること

「振込先変更」は電話で本人確認をルール化する
確認の電話番号は、メール記載でなく正規の連絡先を使う
高額・急ぎの送金は2人でチェックする
「至急・内密」の送金指示は、上長に相談してから動く

確認クイズ(5問・4問正解で修了)

気軽にどうぞ。まちがえても解説が出ます。

  1. Q1. BEC(ビジネスメール詐欺)の主な狙いは?

  2. Q2. 最も警戒すべき連絡は?

  3. Q3. 振込先変更を確認する電話番号は、どれを使う?

  4. Q4. 社長から「会議中だから至急この口座へ、内密に」とメール。正しい対応は?

  5. Q5. 誤って振り込んでしまったら?

すべての設問に答えると採点できます