1. まず結論:中小企業の「実際の金銭被害」で最大級がこれ
BEC(ビジネスメール詐欺)は、犯人が取引先や自社の社長・上司になりすまし、「振込先が変わりました」「至急この口座へ」とメールで指示し、お金をだまし取る手口です。ウイルスより、まともな業務メールの顔をしてくるのが怖いところ。一度振り込むと取り戻すのは非常に困難です。
2. 犯人の典型パターン
- 振込先の変更:「銀行を変えたので新しい口座へ」(既存取引の請求で油断させる)
- 社長・上司なりすまし:「今、会議中で電話に出られない。至急この口座に」(権威+急かし)
- 請求書のすり替え:本物のやり取りに割り込み、金額や口座だけ差し替えた偽請求書を送る
- メールの乗っ取り:取引先の本物のアドレスから届くことすらある(=差出人が正しくても油断禁物)
3. 見抜くサイン
- 「振込先が変わった」という連絡(最大の赤信号)
- 急かす・秘密にさせる(「至急」「他言無用」「私の携帯に直接」)
- いつもと違う言い回し・タイミング・宛先(Cc が外れている等)
- 差出人アドレスの微妙な違い(
torihiki.co.jp→torihiki-co.jpなど)
4. これだけは守る「送金前の鉄則」
- 振込先の変更は、メールだけで信じない。必ず電話など別手段で本人に確認。電話番号はメールに書かれた番号でなく、名刺や過去の正規連絡先から
- 高額・急ぎの送金は、必ずダブルチェック(一人で決裁しない)
- 「至急・内密」で急かされたら、いったん止まって上長に相談
- おかしいと思ったら送金を保留する。確認による数分の遅れは、詐欺被害より遥かに安い
5. 「振り込んでしまった」と思ったら
一刻を争います。すぐに銀行へ連絡して組戻し(返金手続き)を依頼し、警察と社内に報告。時間が経つほど資金は引き出され、取り戻せなくなります。隠さず即報告が唯一の勝ち筋です。
6. 今日から職場でやること
✓「振込先変更」は電話で本人確認をルール化する
✓確認の電話番号は、メール記載でなく正規の連絡先を使う
✓高額・急ぎの送金は2人でチェックする
✓「至急・内密」の送金指示は、上長に相談してから動く